著者
南場 淳司 阿部 尚央 井上 卓 武田 育子 新川 秀一
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.70-77, 2011 (Released:2011-04-16)
参考文献数
12

労災認定において詐聴, とくに誇大難聴が存在することは広く知られているところである。今回我々は2006年1月から2009年12月までの4年間に当科を受診し騒音性難聴の労災認定を希望した14症例を対象として, 従来施行してきた検査に加えて聴性定常反応検査 (ASSR) を行った。詐聴の診断はASSR閾値と純音聴力閾値を比較し, 純音聴力閾値がASSR閾値よりも高い場合を詐聴とした。結果は14症例中7例 (50%) を詐聴と診断し, その7例いずれも難聴の存在自体は明らかであり誇大難聴と考えられた。詐聴と診断した7例中6例は, 従来行ってきた検査からも詐聴と診断可能であり, ASSR検査結果と一致した。これまで騒音性難聴の意見書作成の際に, 詐聴の判断に苦慮するケースを少なからず経験してきたが, ASSR検査を行うことによりこれまでよりも正確に詐聴の診断ができる可能性が考えられた。

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新垣さんと吉本浩二氏のインタビューを読んだ。佐村河内氏の聞こえについて再び取り沙汰されているが、この論文を読むと佐村河内氏が現在進行形で「誇大に難聴」を装っている疑惑は払拭できない。 ASSR検査を用いた労災認定時の詐聴診断 https://t.co/dajBP4od21

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