著者
南 修司郎 山本 修子 加藤 秀敏 榎本 千江子 加我 君孝
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.232-236, 2018-06-30 (Released:2018-08-11)
参考文献数
12

要旨: LENA (Language ENvironment Analysis) システムとは, 主に乳幼児を対象とした周囲の音声言語環境を録音及び解析する統合情報処理ソフトウェアである。今回, 聴力正常児5例, 先天性難聴児2例, 難聴高齢者7例を対象に LENA システムの日本語環境での解析可能性を検証し, LENA システムを用いた聴覚言語リハビリテーションの応用を探った。いずれのグループでも, LENA システムを用いて音声言語環境を調査することは可能であった。聴力正常児と難聴児の聞こえの環境は, ほぼ同等であったが, 高齢難聴者では, 乳幼児に比べてテレビなど電子音の割合が増えていた。大人の発話数, 子供の発声数, 会話のやり取り数という言葉の量についても, 日本語環境で LENA システムを用いて測定可能であった。しかしながら英語環境におけるパーセントタイル値と直接比較することは出来ないため, 日本語環境でのコントロールデータの構築が待たれる。

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LENA(Language ENvironment Analysis system: 言語環境分析システム) って日本語でも使えるのかなと調べてみたらすでに先行研究が! 予防接種率や未熟児出生率のように言語環境も数値化して公衆衛生指標にするには, それを測るデバイスとソフトウェアが必要. ほしいなぁ. https://t.co/1PrIwe4v46

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