著者
下方 浩史
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.177-184, 2008-06-30 (Released:2010-08-05)
参考文献数
9
被引用文献数
6 5

聴力の加齢に伴う変化は個人差が大きく, その個人差には, 内的要因としての遺伝子多型と数多くの外的要因の関与が考えられる。これらを明らかにしていくことが, 高齢者の聴力の低下を予防して, 高齢者が豊かな老後を過ごすために重要である。われわれは名古屋市内の12万人の18年間にわたる大規模な追跡のデータから, 聴覚の加齢変化を確認するとともに, 国立長寿医療センターで行っている住民調査の結果をもとに, 高齢者の聴力に個人差を生じさせる因子を中心に解析を行った。加齢によって聴力は高音域ほど低下し, 男性は女性よりもその影響が大きかった。また1989年以降の18年間ですべての年代で聴力は低下していた。聴力の加齢変化には遺伝子多型の影響が大きかった。糖尿病, 虚血性心疾患, 腎疾患などの慢性疾患が聴力と関連しており, 特に動脈硬化との関連が大きかった。また騒音曝露, 喫煙と聴力との関連が認められた。

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高齢者の聴力に個人差が大きいのは何故か 全身の老化との関係において 下方 浩史 2008 年 51 巻 3 号 p. 177-184 https://t.co/SMu8HlbHWy #ろう #難聴 #補聴器 #人工内耳 #要約筆記 #手話通訳 #感音性難聴 #中途失聴 #片耳難聴 #ダイバーシティ

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