著者
佐甲 徳栄
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.358-365, 2013-06-05 (Released:2019-10-18)
参考文献数
11

前期量子論の時代に,フントによって経験的に導かれたフントの規則は,同じ軌道配置を持ちスピンが異なる一群の状態間のエネルギー順序を予測する三つの規則であり,原子構造を理解するための基本法則として,物理・化学を専攻する者ならば,学部の講義において,一度は必ず触れることのある法則である.一方,この規則が成り立つ起源については,数十年に及ぶ議論の歴史にもかかわらず,未だ統一した見解が得られていない.本稿では,例外が少なく,原子のみならず,分子や量子ドットについても成り立つことが知られている第一規則に着目し,これまでの歴史を振り返りつつ,この規則の起源について,著者の最近の研究結果に基づいた解説を行う.

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フント則ってハートリー近似に基づくよくある説明が実は間違っているって話、解説記事もよく読んだけど、軽元素ではうまくいかないけど、ある程度原子番号が多ければあってくるという理解でいいのかな(電子密度が大きくなるからHF近似がいい方向にいく)。解説記事はここ。 https://t.co/qx5qOH7Z7o

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