著者
大久保 進
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.557-561, 1977-07-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
17

現在, クオーク線則(quark line rule)は素粒子論で最近発見されたψまたはJの安定性を説明するのに有効なだけでなく, φメソンやf'メソンを含む種々の散乱実験の結果やそれ等のdecay の幅等の説明にも役立ちます. この規則の奇妙な点は, 100%完全である事が原理上, 不可能である事です. また, この規則は素粒子のクオーク模型と大変密接な関係があります. このような事実を, 歴史的な見地からここに解説します. 現在の所, クオーク線則は多分量子クロモ力学(quantum chromo dynamics)で説明され得る可能性が一番大きいと考えられて居ります.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (9 users, 9 posts, 16 favorites)

日本物理学会誌は宝の山。OZI(大久保-Zweig-飯塚)ルール。https://t.co/y4GTymfo1J クォークの線が途中で離れるような過程は小さいというのが OZI ルール。量子色力学が確立して精密計算ができる現在でも、その計算は難しい。ルール自体にも矛盾がある。その宿題に我々はまだ答えられていない。

収集済み URL リスト