著者
髙木 俊範 原 英彰
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.277-280, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
15

脳卒中には様々な病態が含まれることは周知の事実である.脳梗塞の最も有効な治療が閉塞した血管の再開通であることは間違いないが,その中にも様々な病態が含まれ,それぞれに対し個別治療が望まれるようになってきた.またそれらは極めて短期間の間で時代とともに変遷してきた.直接神経を保護する薬剤の検討から始まり,組織プラスミノゲンによる再開通療法が始まれば,その時間的制約や出血性合併症に対する検討が必要となった.また神経保護のために,neurovascular unit を包括した保護戦略が謳われ始めた.こうしたその時々の臨床課題に対し,当研究室ではシロスタゾールという単一の薬剤での解決を目指し,基礎研究の視点からアプローチしてきた.抗血小板薬として開発されたシロスタゾールを用いた一連の研究を通して,薬は単一の薬効をのみを有するのではなく,マルチファンクションを有することがあると示された.

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