著者
豊田 一則
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.293-297, 2016 (Released:2016-07-29)
参考文献数
6

Bleeding with Antithrombotic Therapy Study(BAT 研究)の前向き観察研究では,脳血管障害や心臓血管病に対して抗血小板薬かワルファリンを服用する患者を4009 例登録し,抗血小板薬の二剤併用やワルファリンと抗血小板薬の併用が単剤治療に比べて出血イベントを増やすことを,日本人患者集団ではじめて示した.そのサブ研究として,登録患者の観察期間中の血圧値と出血イベント発症との関係を調べ,観察期間中に頭蓋内出血を発症した患者で,収縮期・拡張期ともイベント発症までに血圧が漸増していた.頭蓋内出血発症の至適カットオフ値として観察終了時収縮期血圧130/81 mmHg 以上を提示し,国内ガイドラインで抗血栓薬服用者への厳格な血圧管理を推奨する根拠となった.また後ろ向き観察研究では発症24 時間以内に入院した脳出血患者1006 例を登録し,発症前の抗血栓薬服用が早期血腫拡大や急性期死亡に関連することを示した.

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