著者
溝尻 顕爾 高嶋 彰 湯川 忠彦 中野 正行
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.37, no.Supplement1, pp.774-782, 1989-11-30 (Released:2011-08-04)
参考文献数
8

14C-標識7432-Sをラットに20mg/kg経口あるいは5mg/kg静脈内投与したときの血漿濃度と排泄について検討した。1. 経口投与後の血漿中放射能濃度は投与後30分で最高濃度平均9.18μg equiv./mlに達し, 以後速やかに減少した。血漿中放射能の大部分は未変化体の7432-Sであり, 7432-S-trans濃度は極めて低かった。2. 経口投与時の7432-Sの薬動力学的パラメーターはTmax 24分, Cmax 7.44μg/ml, t1/2 52分であった。静脈内投与時の7432-Sのt1/2は17.3分であった。3. 経口投与後24時間に投与放射能の平均約47%が尿中に, 平均約46%が糞中に排泄された。尿中放射能の大部分は7432-Sで, 7432-S-transあるいはその他の代謝物は極めて少なかった。4. 経口投与後24時間までの胆汁中放射能排泄率は平均約8%と少なく, 少量の代謝物が認められたが大部分は7432-Sであった。5. 7432-Sの吸収部位は小腸上部および中部で, 胃, 盲腸, 結腸ではほとんど吸収されなかった。6. 7432-Sは小膓では比較的安定であったが, 胃では7432-S-transへの転換が認められた。7432-S-transは吸収されず, 7432-Sが選択的に吸収されると思われた。ラットに経口投与したときの消化管吸収率は約50%と推定された。

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