著者
野崎 一朗 松本 泰子 山口 和由 清水 有 熊橋 一彦 宗本 滋
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.136-142, 2013-02-01 (Released:2013-03-06)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

症例は23歳男性である.2週間続く腰痛と,その後生じた頭痛で受診した.頭部MRIでは左篩骨洞炎以外に特筆すべき所見はみとめなかった.入院翌日,右同名半盲と項部硬直を生じたことから,腰椎穿刺を施行し,血性髄液をみとめた.出血源検索のための腰椎MRIで,不均一に造影される硬膜内髄外腫瘍をみとめた.腫瘍によるくも膜下出血と診断し,脳神経外科にて腫瘍摘出術を施行された.病理診断は粘液乳頭状上衣腫であり,残存腫瘍に対して術後放射線治療を追加した.脊髄粘液乳頭状上衣腫によるくも膜下出血の頭痛を生じた特異な症例であり,貴重と考え報告した.

言及状況

外部データベース (DOI)

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これに類似する症例を最近経験した。AngioでAnなくてunknown SAHとする前に,腰部症状の確認や必要に応じて脊髄MRIを撮るべきという教訓になった。 https://t.co/fRvcA56bYE

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