著者
木村 文治
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.241-247, 2016 (Released:2016-04-28)
参考文献数
49
被引用文献数
10 12

筋萎縮性側索硬化症における人工呼吸器装着は最も重要な治療手段選択の一つである.事前意思確認を行なった1990~2013年までの自験例190例の調査結果から,発症から診断までの期間,侵襲的・非侵襲的人工呼吸器装着率,年齢による装着率の変化と推移および予後解析を報告した.その中で,1990~2010年までの160例について,侵襲的人工呼吸器装着による延命効果に影響する因子(年齢,配偶者など)を分析すると共に,侵襲的人工呼吸器装着を決定する因子分析を行い,装着年齢,配偶者の存在,残存運動機能の有無,呼吸器装着までの期間と診断時進行度などが関与することを示した.2010年以後の侵襲的・非侵襲的人工呼吸器装着率の経時的分析結果から,非侵襲的人工呼吸器装着率が年々増加する一方,侵襲的人工呼吸器装着率は減少傾向を示した.世界における人工呼吸器装着率の現況を考察した.

言及状況

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@takitaro2 介護の問題もあるようですね。24時間介護が必要な上、人工呼吸器を装着した方の場合一歩間違ったら死なせてしまうという重責があるようです。でも世界的に見て日本での装着率高いようです。2016年の資料ですと人工呼吸器に関わる費用は保険診療にて全額補助とのことです。 https://t.co/roKiqgjfn1 https://t.co/BsL4usTANi
人工呼吸器の装着を選択するALS患者の割合は30%程度。これでも装着率は世界で一番高いとのこと。自分ならどうするか。家族ならどうするか。 J-STAGE Articles - 筋萎縮性側索硬化症~人工呼吸器装着の背景因子と予後分析~ https://t.co/w8Hkipc4k9

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