著者
小友 進
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.109-116, 2009 (Released:2009-06-12)
参考文献数
36
被引用文献数
1

加齢に伴う脱毛は,老人性脱毛と男性型脱毛である.老人性脱毛は,老化による毛包の消失によるもので,一定の脱毛パターンをつくらない.一方,男性型脱毛は,男性ホルモンによって起こる第二次性徴として定義され,その発症は主に毛サイクルの成長期が,男性ホルモンによって短縮して起こる毛包の矮小化で,特徴ある脱毛パターンを形成する.外観上も心理的にも関心と重要性が大きいのは後者で,そのためのアンチエイジングとしては自毛移植と薬物による方法があり,薬物によるものの中心となるのはミノキシジルとフィナステリドである.ミノキシジルによる発毛は,ATP感受性K+チャネルの開放作用の関与が示唆されている.一方,フィナステリドは,II型5αリダクターゼの阻害作用による抗男性ホルモン剤である.いずれも臨床試験で有効性が認められている.本稿では,ミノキシジルについてその薬理効果を詳しく述べた.

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