著者
小友 進
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.167-174, 2002 (Released:2002-12-24)
参考文献数
59
被引用文献数
13 22

毛髪の長さと太さは主に毛包サイクルの成長期毛包の期間の長さで決まる.成長期はVEGF,FGF-5S,IGF-1,KGF等の細胞成長因子で維持されている.しかし体内時計によって設定された時が満ちれば,FGF-5,thrombospondin,あるいは何らかの未同定の因子により成長期は終了し,毛母細胞にアポトーシスが誘導され退行期へと移行する.男性型脱毛症は遺伝的背景の下に男性ホルモンによって,より早期に成長期が終了する事によっておこる毛包の矮小化である.ミノキシジルの発毛効果はsulfonylurea receptor(SUR)を作動させ,(2)血管平滑筋ATP感受性Kチャネル開放による毛組織血流改善,(3)毛乳頭細胞からのVEGFなど細胞成長因子の産生促進,(4)ミトコンドリアATP感受性Kチャネル開放による毛母細胞アポトーシス抑制,のいずれかを誘起し,成長期期間を延長して,矮小化毛包を改善することによると推察される.
著者
小友 進
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.167-174, 2002-03-01
参考文献数
59
被引用文献数
4 22

毛髪の長さと太さは主に毛包サイクルの成長期毛包の期間の長さで決まる.成長期はVEGF,FGF-5S,IGF-1,KGF等の細胞成長因子で維持されている.しかし体内時計によって設定された時が満ちれば,FGF-5,thrombospondin,あるいは何らかの未同定の因子により成長期は終了し,毛母細胞にアポトーシスが誘導され退行期へと移行する.男性型脱毛症は遺伝的背景の下に男性ホルモンによって,より早期に成長期が終了する事によっておこる毛包の矮小化である.ミノキシジルの発毛効果はsulfonylurea receptor(SUR)を作動させ,(2)血管平滑筋ATP感受性Kチャネル開放による毛組織血流改善,(3)毛乳頭細胞からのVEGFなど細胞成長因子の産生促進,(4)ミトコンドリアATP感受性Kチャネル開放による毛母細胞アポトーシス抑制,のいずれかを誘起し,成長期期間を延長して,矮小化毛包を改善することによると推察される.<br>
著者
小友 進
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.606-612, 1992-03-20 (Released:2014-11-18)
参考文献数
55
被引用文献数
1 1

ミノキシジルは血管拡張作用を有し, その作用は代謝物であるミノキシジルサルフェートのK+チャンネル開放作用にもとづくことが知られている. 一方, ミノキシジルは発毛効果も示し, その効果は臨床試験においても確認されているが, 作用メカニズムに関してはかならずしも完全に解明されているとはいい難い. ミノキシジルの動物実験での発毛効果は, サル・ラット・マウス等において発現し, この効果の一部には, 皮膚血管の拡張による血流増加が関与するものと考えられている. しかし, これ以外に毛包に対する直接作用があることが, in vitroの皮膚細胞や毛包の培養試験から明らかにされてきた. しかも, これにはミノキシジルから毛包スルホトランスフェラーゼによって変換されたミノキシジルサルフェートが関与し, さらに血管拡張作用と同じく, そのK+チャンネル開放作用が重要な役割を果たしていることが示唆されてきている.
著者
小友 進
出版者
順天堂医学会
雑誌
順天堂医学 (ISSN:00226769)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.606-612, 1992
被引用文献数
1

ミノキシジルは血管拡張作用を有し, その作用は代謝物であるミノキシジルサルフェートのK<sup>+</sup>チャンネル開放作用にもとづくことが知られている. 一方, ミノキシジルは発毛効果も示し, その効果は臨床試験においても確認されているが, 作用メカニズムに関してはかならずしも完全に解明されているとはいい難い. ミノキシジルの動物実験での発毛効果は, サル・ラット・マウス等において発現し, この効果の一部には, 皮膚血管の拡張による血流増加が関与するものと考えられている. しかし, これ以外に毛包に対する直接作用があることが, <i>in vitro</i>の皮膚細胞や毛包の培養試験から明らかにされてきた. しかも, これにはミノキシジルから毛包スルホトランスフェラーゼによって変換されたミノキシジルサルフェートが関与し, さらに血管拡張作用と同じく, そのK<sup>+</sup>チャンネル開放作用が重要な役割を果たしていることが示唆されてきている.
著者
小友 進
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.109-116, 2009 (Released:2009-06-12)
参考文献数
36
被引用文献数
1

加齢に伴う脱毛は,老人性脱毛と男性型脱毛である.老人性脱毛は,老化による毛包の消失によるもので,一定の脱毛パターンをつくらない.一方,男性型脱毛は,男性ホルモンによって起こる第二次性徴として定義され,その発症は主に毛サイクルの成長期が,男性ホルモンによって短縮して起こる毛包の矮小化で,特徴ある脱毛パターンを形成する.外観上も心理的にも関心と重要性が大きいのは後者で,そのためのアンチエイジングとしては自毛移植と薬物による方法があり,薬物によるものの中心となるのはミノキシジルとフィナステリドである.ミノキシジルによる発毛は,ATP感受性K+チャネルの開放作用の関与が示唆されている.一方,フィナステリドは,II型5αリダクターゼの阻害作用による抗男性ホルモン剤である.いずれも臨床試験で有効性が認められている.本稿では,ミノキシジルについてその薬理効果を詳しく述べた.
著者
五藤 准 村松 信 細田 和昭 小友 進 相原 弘和
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.395-400, 1984
被引用文献数
1

非ステロイド性抗炎症薬oxaprozinの血小板凝集ならびにprostaglandin(PG)synthetaseに対する作用を検討した.in vitroにおけるウサギ血小板のarachidonic acid(AA)凝剰こ対してoxaprozinは用量依存的な抑制作用を示した.そのIC50は124.2μMで,indomethacin,piroxicamよりは弱く,aspirin,phenylbutazoneとほぼ同等で,ibuprofenの約2倍の強さであった.ex vivoにおけるラット血小板のcollagen凝集に対するoxaprozinの抑制作用は弱く,300mg/kgで抑制作用を示した.indomethacin,aspirinおよびibuprofenは100mg/kgですでに抑制作用を示し,phbenyl-butazoneも300mg/kgで作用を示すが,その作用はoxaprozinより強かった.血小板のADP凝集に対してはウサギin vitro,ラットex vivoのいずれにおいてもoxaprozinは抑制作用を示さなかった.またマウスAA致死に対してoxaprozinは用量依存的な抑制作用を示し,そのED50は56.4mglkgであった.この作用はsulindac,piroxicamおよびibuprofenより弱く,aspirinとほぼ等しく,phenylbutazoneの約5倍の強さであった.一方,PG synthetaseに対してoxaprozinは用量依存的な阻害作用を示した.その作用はindomethacin,piroxicamより弱く,ibuprofenとほぼ同等で,phenylbutazoneおよびaspirinより強かった.以上の結果より,oxaprozinは一般的な酸性非ステロイド性抗炎症薬と同様の血小板凝集抑制作用を有し,その作用は主としてPG生合成の阻害に基づくものと考えられる.