- 著者
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飯島 茂子
角田 孝彦
- 出版者
- 公益社団法人 日本皮膚科学会
- 雑誌
- 日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
- 巻号頁・発行日
- vol.127, no.1, pp.23-30, 2017-01-20 (Released:2017-01-20)
- 参考文献数
- 19
痤瘡治療薬である過酸化ベンゾイル(BPO)含有ゲルによる接触皮膚炎の7例を報告した.1%BPO試薬およびBPO含有ゲルを用いて,パッチテストを行った結果,4例はアレルギー性接触皮膚炎,3例は刺激性接触皮膚炎と診断した.前者では発症までに9日~24日,後者では2日の外用期間であった.臨床所見のみでは両者の区別は困難で,外用期間・パッチテスト皮膚反応の継時的変化が有用だった.当院でのアレルギー性接触皮膚炎の発症頻度は2.7%であり,皮膚科医はそのアレルギー発現性に留意して処方すべきであると考えた.