著者
木原 一彰
出版者
日本道徳教育学会
雑誌
道徳と教育 (ISSN:02887797)
巻号頁・発行日
no.333, pp.55, 2015 (Released:2019-09-02)

昭和33年の特設以降、半世紀以上実施されてきた「道徳の時間の学習」において、授業改善のための多様な工夫がなされてきた。しかし、「特別の教科 道徳」へと移行しようとしている現在においても、「道徳の時間の受け止めの悪さや形骸化」が指摘されている。本稿では、道徳の時間の在り方として、「人の生き方に根ざしている一つの価値が、他のどのような価値に支えられることで行為として実現可能になるかを追究する『複数関連価値統合型』の道徳の時間」の可能性について、実践研究をもとに論ずる。道徳的価値そのものを連関、統合してその総体を道徳性として組織化できるような道徳の時間を構想することは、学習指導要領の理念に叶うものである。児童・生徒の発達段階や受け止めの実態を考慮し、 『複数関連価値統合型』による道徳の時間の学習を構想し実践することで、価値の内面的自覚を促進し、諸価値の統合による道徳性の育成を促すことが可能となる。

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複数関連価値統合型の道徳の時間の可能性-学習指導過程の固定化を克服するために-,木原 一彰,道徳と教育 ,2015 https://t.co/doSfiN6dST
木原先生のこの論文も改めて読まなければ。私も、特に高学年以降であれば、価値同士の「関連」や「衝突」を活かした授業を提案したい。https://t.co/JpeBoAPGiJ

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