著者
櫻井 義秀
出版者
北海道社会学会
雑誌
現代社会学研究 (ISSN:09151214)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.74-101, 1996-06-25 (Released:2009-11-16)
被引用文献数
1

本稿では、第一に、現代の情報化社会で言説がいかに生成されるか、その過程をオウム真理教事件に関わる言説に則して見ていぎ、現在流通している様々な言説を共通の概念枠組みで記述した。第二に、オウム真理教がなぜかくも急速に信者を獲得・動員して犯罪を行い得たのかという疑問への説明として最も流布し、しかも社会的影響力を持ったマインド・コントロール論を取り上げ、オウム真理教現象の構成のされ方、論者の視点の問題点を社会学的に吟味した。マインド・コントロールの一般的定義は、(一)破壊的カルト教団による信者の利用、(二)社会心理学的技術の応用、(三)他律的行動支配、の三つの部分から構成されている。(二)は宗教上の入信行為の説明として不十分であること、(三)は社会的行為において論理的な命題を構成できないこと、(一)こそマインド・コントロールの核心であったが、これは価値中立的な認識ではないこと、信教の自由という問題に抵触すること、結局の所、人間の宗教的行為、宗教集団の多面性を理解する上で力がないことを明らかにした。

言及状況

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マインドコントロールは以下のように多義的で、 ①米反カルト派がカルト団体の批判に使った概念で非中立的な概念(科学的証拠に乏しく裁判では認められていない) ②社会心理学的技術の利用による心理操作という意味(宗教の信仰の説明には不十分とされる) 櫻井教授の見解→https://t.co/sjtApvWeSf
日本の宗教学者も、マインドコントロールには懐疑的なが多く、入信・信仰の原因の説明には不十分とされる(櫻井義秀氏・太田俊秀氏など)、 https://t.co/sjtApvWeSf 各種の裁判でも、マインドコントロールの事実認定自体がされないか、大きな影響は認められていません。https://t.co/0bxWPk4i4W

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編集者: MICCAgo
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