著者
森 哲
出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学雑誌 (ISSN:02853191)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.39-45, 1997-12-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
25
被引用文献数
6

発達したデュベルノイ腺を持つヘビであるヤマカガシの孵化幼体に様々な大きさのカエルとサカナを飼育下で与え,餌の大きさやサイズが捕食行動に及ぼす影響を調べた.カエルはサカナよりもたやすく捕獲され,処理された.呑み込みの効率はカエルとサカナとで明瞭な違いはなかった.餌の相対的サイズは餌を呑み込む方向と呑み込むときの餌の生死に影響しなかった.サカナは一部が死んでから呑まれ,頭部から呑み込まれる傾向があった.これに対し,カエルはすべて生きたまま呑まれ,呑み込む方向に選好性はなかった.カエルにおいては,呑み込む方向は最初に咬みついた部位に依存する傾向が強かった.どちらの餌においても,餌を呑み込む方向は呑み込み時間に影響しなかった.サカナの生死は処理時間の長さと関係していると考えられた.カエルを頭部から呑み込む傾向がなかったことを除けば,ヤマカガシ孵化幼体はサカナよりもカエルの方がより効率良く捕食できると考えられた.

言及状況

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