著者
京面 公士 尾脇 義明 伊丹 誠 伊藤 紘二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 27.16 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.33-36, 2003-02-28 (Released:2017-09-20)
参考文献数
3

OFDM変調方式においてマルチパスの影響が大きくなると,シンボルの振幅や位相を補正する等化処理が必要となる.しかし,周波数選択性フエージングにより特定のキャリアの電力が非常に小さくなる場合,等化による改善は困難となる.この影響を改善する効果的な方法の一つとして伝送中の誤りを訂正するための符号を付加する誤り訂正符号化がある.誤り訂正符号を用いることで,雑音の影響が大きいキャリアでも符号・復号技術を行なうと前後のキャリアの情報によって正しく訂正することができる.また周波数軸でデータシンボルを分散させるデータ拡散方式も効果的である.データ拡散はユニタリ変換を用いて送信データを帯域全体に分散させ,ユニタリ逆変換により復元させる方式である.本稿ではデータ拡散方式を用いたOFDM変調方式に誤り訂正符号の一つであり,近年Turbo符号と同様にShannon限界に近い特性を示す優れた誤り訂正符号として知られている低密度パリティ検査(LDpC)符号を組み合わせた検討を行い,計算機シミュレーションによって劣悪な伝送路でも特性の改善ができることを示す.

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