著者
照井 滋晴
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.91-100, 2023-07-11 (Released:2023-07-11)
参考文献数
15

2011 年1 月から2021 年3 月までのネットオークションにおけるセボシタビラ(2020 年2 月に種の保存法にもとづく「国内希少野生動植物種」に指定)の販売実態を調査し,「国内希少野生動植物種」指定の効果を検証した.その結果,723 件の販売記録のうち5.5%が野生捕獲個体(WC),72.9% が飼育下繁殖個体(CB),21.6%が由来不明個体であった.また,セボシタビラの「国内希少野生動植物種」への指定によって流通を停止させる効果が認められた.しかし,調査期間を通して,流通に占めるWC の取引の割合は,由来不明をWC に含めたとしても小さく,CB と称するものの割合が相対的に大きかったことから,本種に関しては,国内希少野生動物種への指定による販売規制の重要性はそれほど高くないことも示唆された.今後,密漁が増加した場合などには,野外における捕獲等及びその他の商取引が禁止されるものの,特定国内種事業者による繁殖個体のみ商取引を認められるカテゴリー「特定第一種国内希少野生動植物種(特定第一種)」へ移行することも選択肢として検討する余地があると考えられた.

言及状況

外部データベース (DOI)

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日本においても近い将来に、植物だけではなく、希少野生動物種の売買が合法になるだろう。条例において、特定希少種事業者の登録制度がない都道府県は、早急に改正を進めるべき。 https://t.co/HfJ6179c9k https://t.co/7WTzYBbdKb
「ネットオークションにおけるセボシタビラの販売実態と種の保存法による販売規制の効果」が掲載された(https://t.co/rc8Rfupb1M)。流通に占めるWC の取引の割合は小さく、CB の割合が相対的に大きかったため国内希少野生動物種への指定による販売規制の重要性はそれほど高くないことが(続き)。

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