著者
長谷川 政智 池田 実 藤本 泰文
出版者
公益財団法人 宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団
雑誌
伊豆沼・内沼研究報告 (ISSN:18819559)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.47-60, 2015 (Released:2017-11-10)
参考文献数
15
被引用文献数
2

外来種となるカワリヌマエビ属Neocaridina spp.と在来種のヌカエビParatya compressa improvisaの生息状況を宮城県北部の河川・水路ならびにため池で調査した.調査した河川・水路の114箇所のうち57.0%にあたる65箇所でカワリヌマエビ属の生息を確認した.一方,ヌカエビは44箇所(38.6%)でしか確認されず,また,1地点あたりの捕獲数もカワリヌマエビ属の半分以下であった.ため池では,カワリヌマエビ属が出現した池は56箇所のうち11箇所と少なかったが,ヌカエビは36箇所で確認された.一般化線型混合モデルによる検定と合わせて分析した結果,どちらのタイプの水環境でも,ヌカエビ生息地にカワリヌマエビ属が侵入した場合には,ヌカエビの生息に負の影響を及ぼす可能性が示された.したがって,今後も宮城県においてカワリヌマエビ属の分布は拡大し,ヌカエビの分布は縮小することが示唆される.

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