著者
櫻井 陽奈子 笹尾 健一郎 菅原 洋子 入野 志保 武部 元次郎 土屋 悠海 関根 和彦
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.307-310, 2018-12-31 (Released:2018-12-28)
参考文献数
5

症例は67歳独居男性。肺扁平上皮癌に対する左肺全摘除術後の II 型呼吸不全のため在宅酸素療法導入中であった。居室で倒れているところを知人に発見されて救急搬送となり, 深昏睡のため緊急気管挿管後に原因を検索した。トライエージ DOA®でtetrahydrocannabinol (THC) 反応陽性を認めたが, 特定のトキシドロームはなく, II 型呼吸不全急性増悪による意識障害と判断された。支持療法のみで速やかに呼吸不全から離脱し, 覚醒後に患者は大麻の使用歴を否定した。廃用萎縮の進行により入院中の大麻使用は不可能であったが, 退院前 (第100病日) のトライエージ DOA®でもTHC反応が陽性を呈した。入院中もHIV感染に対してエファビレンツ内服が継続されたが, エファビレンツの内服により簡易型尿中薬物検出キットでTHC偽陽性を示すことが文献で報告されていることから, 偽陽性が考えられた。

言及状況

外部データベース (DOI)

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>RT 大麻の簡易尿検査で偽陽性になるCBN量は以下の報告書に書かれているし、それ以上に何の関係も無い薬で大麻の偽陽性は出る。 知っておいて損は無いかも。 尚、ng/mLというのは0.000001 mg/mLの事で(←酔っ払いにつき要検証)、割とCBNは少量で陽性判定が出るっぽいね。 https://t.co/1xnA0FxQHN
エファビレンツ服用患者の尿検査でTHC擬陽性を示した例。 https://t.co/WvASWVakir
と、色々妄想しつつ、素人が一発で検索出来るのだから、ニセ大麻判定に頭を悩ます救急のお医者さんは多いのかと思ったりもしました。日々のお仕事ありがとう

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