著者
岡田 鈴人 笹栗 健一 佐藤 貞雄
出版者
特定非営利活動法人 日本顎咬合学会
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1-2, pp.27-34, 2009-04-24 (Released:2015-01-30)
参考文献数
35

アロスタシスとは生命体が生命活動をおこなうための必要不可欠なメカニズムであり,それは生体の恒常性の維持あるいは恒常性を維持するために生体のシステムを変化させることを意味している.アロスタシスは身体の環境に対する適応や社会に対する精神的適応を促進する.生体が環境の変化に適応するためには,生体自身はある程度の危険を犯さなければならない.しかし,その危険があまりにも頻繁な場合や,生体自身の適応に限界がある場合には,その危険は,アロスタティックロードとよばれ,生命活動に対して障害(病気,あるいは死)を生じることとなる. 今回われわれは,生命活動の緊急状態の指標として,血圧と体温を測定して,それらに対するバイティングの効果について検討した.拘束ストレス中に木製の棒を噛ませると,ストレス性の血圧上昇が30分,45分,60分,75分で有意に抑制され,体温の上昇も30分,60分,120分,180分で有意に抑制された.これらの変化は,サーモグラフィーにより肉眼的にも明らかとなった.また,バイティングにより血中のIL-1β,IL-6,レプチンのストレス性上昇が有意に抑制され甲状腺刺激ホルモンの減少も抑制された.これらの結果は,バイティングにはストレス抑制効果があり,顎口腔諸器官の活動はストレス刺激に対する精神的適応に重要な役割を担っている可能性を示唆している.

言及状況

外部データベース (DOI)

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『アロスタシスの概念と臨床咬合学-生体のストレス反応における咀嚼器官の役割-』 岡田 鈴人, 笹栗 健一, 佐藤 貞雄 日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 / 29 巻 (2009) p. 27-34 https://t.co/a3Zd4MakBY
「咀嚼器官は,元来鰓器官に由来し て進化の過程では大脳辺縁系とともに攻撃性の発現器官と して発達してきた経緯がある.」 https://t.co/tzDFWm2wKK

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