- 著者
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生田 安司
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
- 雑誌
- 日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.5, pp.370-374, 2020-07-15 (Released:2020-07-15)
- 参考文献数
- 9
気管支切開により摘出した気管支異物の2例を報告する.症例1は84歳男性で,歯科治療中に義歯を誤嚥し,摘出目的で当院へ紹介となった.手術は左底区気管支を横軸方向に切開し義歯を摘出した.症例2は精神発達遅滞のある60歳男性で,胸部レントゲン検査で気管支内異物を指摘され,摘出目的で当院へ紹介となった.手術は左主気管支を長軸方向に切開し異物を摘出した.手術による気管支異物摘出を行う場合,異物の材質や形状,異物の存在部位や介在期間,周囲の気管支肺の状態を考慮し,術式や気管支切開における切開方向を選択すべきである.