著者
庄司 香
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.93-103, 2012 (Released:2017-08-04)
参考文献数
48

近年,世界で急速に予備選挙の実施事例が増え,それに伴い予備選挙研究も活性化してきているが,予備選挙の定義には混乱がみられ,比較分析のための枠組の精緻化もまだ進んでいない。本稿では,まず,予備選挙の類型とこれまでの研究の論点を,民主化という尺度を軸に整理し,予備選挙導入と政党の強さの関係について,オーストラリアを題材に考える。さらに,「参加」という尺度から逸脱していく台湾の事例や,政党候補者指名という行為そのものの否定へと行き着いたカリフォルニアの事例を通じて,予備選挙がもつ指名制度の「開放」というインペラティヴについて考察する。最後に,ナイジェリアとアルゼンチンの事例をもとに,それぞれ,政党候補者指名制度の法制化や予備選挙実施の全党義務化が示唆する,予備選挙研究の新しい視角を提示する。

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アメリカの予備選は党員以外の有権者にも解放されている例が多いらしい ただ予備選挙の投票率が恐らく段違いで、動員票の影響力を排除できるであろう点で日本と状況は大きく異なる https://t.co/Zg8OUa1Ovn
予備選と言ってもいろいろなやり方があるんだね 世界の予備選挙 https://t.co/vKBxDo4GzD
これは私のフォロワーのみならず、広く野党の支持者や議員の皆様に読んでいただきたい論文。予備選の現状について書かれている。 https://t.co/pbKx4WF4lG
《予備選挙で深刻な党内対立を経験す ると本選挙にしこりを残すという議論は,実証的にはあまり支持されていない/本選挙に有利な候補者を抽出する、候補者が最適政策位置を探る機会を提供する、候補者の戦略的思考により本選挙での勝機が増すといった肯定的な見方が》 https://t.co/pbKx4WF4lG

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