- 著者
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増田 正
- 出版者
- 日本選挙学会
- 雑誌
- 選挙研究 (ISSN:09123512)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.1, pp.19-29, 2015 (Released:2018-03-23)
- 参考文献数
- 30
本稿では,フランスの選挙制度改革に関する最近の議論を整理する。フランスの選挙制度と言えば,最初に思い出されるのが2回投票制であろう。2回投票制は,フランスの選挙制度を理解するための最も重要な概念である。大統領選挙でも使われている2回投票制は,名簿式とも組み合わされながら,様々なレベルで活用されてきた。最近,第二の重要な概念としてパリテがこれに付け加えられた。2000年以降のあらゆる選挙制度改革は,多かれ少なかれ,パリテを巡って展開されてきたと言える。パリテは,2015年3月実施の県議会議員選挙から2回投票制にまで結びつけられるに至った。しかしながら,結論的には,これらの特殊フランス的な制度が,他国へ波及する可能性は現時点ではあまりないと考えられる。