著者
伊藤 康弘 宮内 昭
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.12-18, 2019 (Released:2019-04-24)
参考文献数
13

今回8年ぶりに甲状腺腫瘍診療ガイドラインが改訂となった。今回のガイドラインの大きな改訂点は1)乳頭癌のリスク分類を提言したこと,2)放射性ヨウ素内用療法の分類を明確にしたこと,そして3)分子標的薬剤に関する記述を追加したことの三点である。当院の症例を解析したところ,リスク分類はかなり鋭敏に予後を反映した。そこへ年齢を加えると,さらに興味深い結果が得られた。2)については従来アブレーションと呼ばれていたものを残存濾胞細胞の廃絶を目的としたアブレーションと,画像診断では確認できないが顕微鏡的な転移が存在すると考えられる症例に対する補助療法の二つに分けたことが大きな改訂である。3)についてはまったく新しい知見であり,甲状腺癌治療の新しい手段であるが,その適応とタイミングに関しては症例ごとに十分吟味しなくてはならない。

言及状況

外部データベース (DOI)

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甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版:開発の経緯 岡本高宏, 小野田尚佳, 伊藤康弘 https://t.co/VS5VLGwMxO 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版:改訂の要点 伊藤康弘, 宮内昭 https://t.co/JjtKN3kBZb 甲状腺腫瘍診療ガイドライン2018年版:専門医の立場から 今井常夫 https://t.co/jPJht8Qj0P

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