著者
牧野 公美子 杉澤 秀博 白栁 聡美
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.97-105, 2020 (Released:2021-08-24)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究の目的は,介護老人福祉施設内での看取りを認知症高齢者に代わって決断した家族が看取りに至るまでの過程で経験する精神的負担,および代理意思決定に対する想いに影響する要因を明らかにすることである.家族16人に対する半構成的面接のデータを,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した.分析の結果,家族は施設内看取りの決定時期には,選択の迷いと高齢者本人や親族の意向が不明ななかで決断せざるを得ないことへの重責,看取り決断後は,高齢者が次第に痩せ細る姿への悲しみとそれに伴う決断の動揺,臨終のときが近いと覚悟する悲哀を経験していた.これら精神的負担がありながらも,代理決定者の家族が代理意思決定を後悔なく納得したものにできた要因は,実際に代理意思決定した時期だけでなく,決定後の期間にも存在しており,代理意思決定後においても継続的な支援をする必要性が示唆された.

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