著者
大杉 千尋 村上 信司 渡辺 嗣信
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.730-736, 2014-11-25 (Released:2015-01-10)
参考文献数
11

単一クローン性免疫グロブリン(M蛋白)は,免疫生化学検査の測定結果に様々な影響を与えることが知られている.今回われわれは,AST測定時の反応タイムコースの異常から,患者血清とAST第1試薬が反応して混濁を生じた症例を見出した.その症例における混濁の原因はIgM-κ型M蛋白であることを証明した.さらに他8社のJapan Society of Clinical Chemistry(JSCC)標準化対応試薬で患者血清を測定したところ異常反応を生じなかった.そこで,試薬成分の緩衝液に着目し,3種類の緩衝液における様々な濃度での患者血清との反応性を確認した.その結果,本症例の異常反応は現行AST試薬の低イオン強度によるものであると考えられた.

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ふむ、TrisとM蛋白が反応して混濁することにより、吸光度に影響を与えている可能性。 https://t.co/rp9biXviZV

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