著者
大西 たまき
出版者
日本NPO学会
雑誌
ノンプロフィット・レビュー (ISSN:13464116)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-10, 2017 (Released:2017-07-05)
参考文献数
41
被引用文献数
1

日本のフィランソロピーは近年著しい発展を遂げているが,フィランソロピーの概念と定義を包括的に整理した研究はまだ限られている.本論文の主たる目的は,フィランソロピーの定義を理解するための分析フレームワークを示唆し,日本のフィランソロピー研究を促す事にある.そのため研究の進む米国を中心としたフィランソピー研究のシステマティック・レビューを行い,定義を分析した.システマティック・レビューに際しては,近年の主要研究(Daly 2012, Sulek 2010a, 2010b)の他,各種文献データベース(ABI/INFORM, EBSCO, JSTOR)とインディアナ大学のPayton Philanthropic Studies Libraryを用い,フィランソロピー研究者の助言も得た.その結果,西洋のフィランソロピーの様々な定義と関連する社会的,政治的,文化的要因,そして時系軸と理論的観点からの類型化という2つの観点からフィランソロピーという概念がいかに捉えられてきたかを考察すると共に,この類型化と日本のフィランソロピー研究の発展との関連性にも触れる.

言及状況

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「ソクラテスの弟子が,権力者や統治者の理想的資質の 1 つである人民に 対する「寛大さ」としてphilanthrôpía を用いた(Christ 2013).この場合の philanthrôpía は「寛大さを施す者 と施される者の身分格差」が前提と考えらる。」→ギリシア社会は現代同様身分=保有資産額。 https://t.co/wuA7sP62k1

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