著者
山元 恵子
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.104-113, 2009-05-31 (Released:2017-07-01)
参考文献数
9
被引用文献数
4

本研究の目的は、地域でライフワーク活動を続けている統合失調症者その人の誕生から現在に至るまでの体験と病の回復過程を明らかにし構造化し、その人のどのような力が回復のために働き、どのような状況が必要なのか解釈を行うことを目的とするものである。研究方法は対象者3名に半構造化面接を実施しKJ法を用いた。結果は、共通要素として対象者は夢や希望を持ち、自己実現のために自ら活動を行い、最終段階で「居場所と生きがいの発見」をし、揺るがないものとして獲得していた。その過程においてA氏、D氏は、発病前から持っていた「自己感覚」を大切にしながら回復に向けて意識的に自己を統合していることが見いだせた(自力型回復プロセスの構造)。E氏は幼少時から周囲の環境の影響を受けて成長し発病したが、発病当初より「自己感覚」はE氏に内在しており、後に周囲の援助により「自己統合力」を効果的に発揮できるようになった(受動型回復プロセスの構造)。これらの研究結果は当事者には回復過程を歩むための道標となり、援助者にはその人の回復過程を考慮した援助や工夫を促すものとなると考える。

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