著者
松浦 弘幸 根本 哲也 久保田 怜
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.71-76, 2012-05-30 (Released:2017-09-02)
参考文献数
9

我々は,従来から有名な情報理論のベイズ定理を量子力学的方法を用いて書き換えた.それには,古典的な確率定理を全て確率演算子,確率振幅,そして,演算子に読み替える必要があった.古典的(従来のベイズ定理)と量子力学形式の最大の相違は,干渉項の有無である.量子力学的な表現では,初期状態ベクトルがたとえ純状態であっても,終状態では混合することを要求する.これは,純状態の重ね合わせの原理に相当する.ニューラルネットでは,この量子混合状態は,エファプスのような軸索間の干渉,また,神経終板,シナプス等が想定されている.神経の結合様式では,図式的には収束型であるが,数学的方法としては発散タイプの推計を行う事になる.結合部では多くの情報が混合するが,この中でも幾らかは以前の情報を保持している.この情報の拾い出しが量子力学の期待値を取ることに相当する.

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