著者
前畠 裕司 江崎 幹宏
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.10, pp.447-455, 2018 (Released:2018-10-25)
参考文献数
35

腸結核は,結核菌が消化管や近傍のリンパ節へ感染することで発症する腸管の炎症性疾患である.近年は減少傾向にあるものの,今なお年間約250例が診断されている.確定診断には,培養や組織学的検査による結核菌ないし乾酪性肉芽腫の証明が必要であるが,いずれの検査も陽性率は高くない.一方,インターフェロンγ遊離試験は高い感度と特異度を示すことから本症の補助診断としての有用性が示唆されている.典型例のX線・内視鏡所見では,輪状・帯状潰瘍や不整形潰瘍などの活動性病変に加え,萎縮瘢痕帯,腸管変形,輪状狭窄などの慢性経過を示唆する所見を伴うのが特徴である.しかし,大腸癌検診などを契機に発見される無症状で軽微な粘膜病変のみを呈する腸結核例も増加している.

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@Matanuki https://t.co/eESOveUPvl 「腸結核の現状」

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