著者
東山 篤規 村上 嵩至 佐藤 敬子
出版者
日本環境心理学会
雑誌
環境心理学研究 (ISSN:21891427)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-9, 2014 (Released:2017-05-08)
参考文献数
13

文章理解に及ぼす無関連な聴覚刺激の有害的効果について研究した。実験1では,12人の参加者が3種類のテキストを読んで要約するという課題を行い,その課題の間に,雑踏音,人混み音,音楽,会話あるいはそれらの結合音を聴いた。課題の遂行が妨害されたと感じる閾が決定された。会話がもっとも有害的であり(低い閾),雑踏音と人混み音は比較的有害でない(高い閾)ことが見出された。実験2では,18人の参加者が,通常の雑踏音,音楽,会話だけでなく,それらを反対方向に再生した音も聴取した。正常あるいは逆再生された会話の平均騒音閾は,雑踏音や音楽よりも5dbほど低かった。これらの結果より,文章理解は,聴覚刺激の意味的特徴ではなく,音響的特徴によって,すなわち振幅パターンの豊富な分節によって妨害されることが示唆された。

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