著者
松宮 奈賀子 森田 愛子
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.15, no.01, pp.95-110, 2015-03-20 (Released:2018-08-02)
参考文献数
12

本研究の目的は小学校教員養成課程に在籍する大学生を対象に,外国語活動指導への不安を軽減するための方策の一つとして「学級担任の役割を意識した英語スピーチ練習」を実施し,その効果を検討することである。スピーチ練習は2013 年度後期の外国語活動指導法に関する演習科目の中で4 回に渡って実施し,127 名の大学2 年生が参加した。本スピーチでは単に流暢に話すことを目指すのではなく,児童が分かるような工夫をしながら伝える,という「学級担任としての発話」を意識することを求めた。4 人グループで順番にスピーチを行い,スピーチはタブレットを用いて録画した。スピーチ後には録画された映像を見て,振り返りを行い,次回への課題を明確にさせた。本スピーチ練習を体験し,事後アンケートに回答した122 名の学生の本実践の効果に対する自己評価を調査した結果, 85%以上の学生が本実践は「学級担任としての英語力」の向上に役立ったと評価し,基本的には本実 践は英語力向上感に寄与するものと受け止められた。しかしながら「教壇に立って英語を話すことに自信がついた(不安が減った)」と回答した学生は全体の39.3%にとどまり,自信の向上(不安の減少)につながるとはいえない結果であった。ただし,履修後に残る不安・課題について調査したところ,英語力を最大の不安と回答した学生の割合が例年と比較して20%程度減少し,「自信がついた」とまではいえないものの,本実践が指導への不安軽減に功を奏した可能性があると考えられた。

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