著者
能登 淳子
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.111-116, 1999-03-20 (Released:2017-08-28)
参考文献数
5

本論文は,これまで用材生産を中心に捉えられてきた林野利用の歴史に対して,それ以前の多様な利用,なかでも長年にわたって山村農民の食料生産を支えてきた焼畑耕作について,その存在形態と衰退の過程を主に土地利用の面から捉えようとしたものである。岩手県北上山地で行われていた焼畑耕作は,自給用の作物生産を主目的としながら,燃材の確保,養蚕のための山桑の栽培やそのほかの商品生産を支えるなど,多様な形態で農家の生活に重層的に関わっていた。しかし,第二次世界大戦後の開田の進展,あるいは畑作への商品作物への導入や雇用労働などの新たな現金収入の増加によって焼畑は放棄されていき,最終的には本来的な自給用作物生産という役割は薄れ,それ以外の2次的な役割が大きな位置を占めた。

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@oukei01 @Midori_grune 山間部では寒冷地用の米が普及するまで、自給用に焼畑耕作していたようです。 休閑期にはハンノキ(肥料木&薪材)を植栽していたようです。 https://t.co/Qu4dsOvqZZ

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