著者
石崎 涼子
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.65-74, 2014-07-01 (Released:2017-08-28)

スイスは,日本と同様に,長年,林業部門の生産性の低さや補助金への依存に悩まされてきた。日本においては今なお解決に向けた方向性さえみえない状況にあるが,スイスでは1990年代から助成改革が進められ,2008年から新たな助成制度が導入されている。本稿では,日本における林業助成のあり方に関する議論を深めるために,スイスにおける林業助成のプロセスと成果を検討した。その結果,(1)スイスの林業助成改革は,財政部局からの要請に対して受け身で展開したのではなく,森林政策の枠組みや戦略の構築と一体的に進められたこと,(2)森林政策の戦略を検討する過程で,今後,連邦政府は市場で生き残れない主体を永続的に支援することはしないとする助成原則が打ち出されたこと,(3)林業助成は,目的志向型の助成に変わったこと,(4)目標の具体的な設定方法や過渡的支援の終了に関わっては,なお議論が残されていることなどが明らかとなった。

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ふむ。スイスは助成金を段階的になくしていって、正常化したらしい。補助金はなくしたほうが成長する。 https://t.co/blUfslWabd #減税

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