著者
山本 誠子 栗山 尚子 小宮山 冨美江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.17-22, 2001-01-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
11

ゆでたじゃがいもにデンプンを加えたための物性の変化がいももちの特徴であるので, じゃがいもデンプン添加量の異なるいももちについて, テクスチャー特性の測定, 破断特性の測定 (レオナーによる) と官能検査 (評点法による) を行い, 比較・検討した結果を要約すると以下の通りである.(1) いももちはデンプン添加量が多いほど硬く, 凝集性が大きく, 破断応力, 破断エネルギーも大きく, 強靭になった.また, 伸長破断による伸びは大きくなるが, 伸ばすのには大きな力が必要となった.出来たてはやわらかく伸びは大きい.しかし経時変化に伴い, 硬く, 凝集性は小さくなり, 破断応力, 破断エネルギーは大きいが, 伸長破断による伸びは小さく, 伸びなくなった.(2) 官能検査では30%が一番, 次に20%が好まれた.30%は適度な弾力とかたさ, 伸びがあり, もち感が感じられ, いももちとしてのイメ門ジに非常に近かった.(3) 官能検査と機器による客観測定値について相関係数を求めたところ, かたさと原硬さ, 弾力と凝集性, 弾力と破断ひずみとに高い相関がみられた.

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