著者
岩佐 由美
出版者
日本保健科学学会
雑誌
日本保健科学学会誌 (ISSN:18800211)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.181-191, 2019 (Released:2019-10-05)
参考文献数
22

目的 国内の女性の健康課題に関する研究パラダイムの変化を知り今後に示唆を得ることを目的とした。 方法 「女」「婦」「母」をキーワードに医学中央雑誌で検索した1980 ─ 2014 年の論文タイトルの語を分類する分野と対象者の2 系統のコードを作成し,テキストマイニング法で分析した。コードを健康課題解決のための研究パラダイムと捉え5 年ごとに分析した。 結果 29,082 論文がコーディングされた。対象者コードのうち妊産婦に分類された論文が全体の30.9%だった。1990 ─ 94 年は40.0%,2005 ─ 09 年は24.2%だった。分野コードのうち周産期が最多だった。1994 年以前は感染症,薬物,周産期が多く,1995 年から運動器,月経が多かった。2000 年以降は心理,育児,睡眠疲労が有意に増加した(P < 0.05)。 考察 産み育てる性である女性の健康が研究パラダイムの中核であったが減少し,1990年代から2000 年代に広範なライフサイクルの女性の身体や生活習慣へ,2010 年頃に向けて介護,育児等の役割の困難さへ,シフトしたと考えられた。

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