- 著者
-
岩佐 由美
- 出版者
- 日本健康医学会
- 雑誌
- 日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
- 巻号頁・発行日
- vol.28, no.2, pp.157-163, 2019-07-26 (Released:2020-09-18)
- 参考文献数
- 13
目的 パーキンソン病ケアの標準化に向けて,患者が自身で実施しているリハビリテーションの頻度と内容をヤール度数ごとに可視化する。方法 全国パーキンソン病友の会兵庫県支部会員に対する質問紙調査で得られた252人の回答を,自身でのリハビリテーション実施有無で群分けし,属性,実施頻度を比較した。実施の内容に関する自由記載をテキストマイニング分析し,12のリハビリテーション項目と,それを実施している患者のヤール度数の関係の強さを可視化分析した。結果 患者の78.8%が自身でリハビリテーションを実施していた。実施者のヤール度数は有意に低かった(p<0.01)。実施頻度は平均4.5日/週で,ヤール1で最多(5.3日),ヤール4で最小(3.9日)だった。リハビリテーション項目のうち[体操,ラジオ体操][柔軟,屈伸][散歩,歩行]は,全ヤール度数の患者が実施していた基本的項目であり,これに加えてヤール1~2で[ダンス][スクワット][ヨガ],2~3で[バランス][太極拳],ヤール4では[マッサージ]が追加実施されていることが可視化された。考察 可視化されたリハビリテーションの安全性や有効性を検証し,患者,介護者らが共有できるケアとして標準化していくことが必要だと考えられた。