著者
齋藤 雄一 江島 正義 田中 俊一郎 中川 尚志
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.118-126, 2017-07-20 (Released:2018-08-01)
参考文献数
16

鼻腔(右鼻中隔)原発の Glomangiopericytoma の症例を経験した。症例は 80 歳、男性で、鼻閉感を主訴に前医より紹介受診となった。右鼻腔下鼻甲介前端よりやや後方から、後鼻孔を占拠する表面平滑で、血管豊富な腫瘍を認めた。画像検査および病理組織診の結果、鼻腔原発の Glomangiopericytoma と診断した。生検時易出血性であったものの、腫瘍は鼻腔に限局しており、周囲への浸潤も無かったため、経鼻的内視鏡下腫瘍切除術を施行した。術後合併症および、術後局所再発は認めていない。Glomangiopericytoma は近年まで Hemangiopericytoma と認識されていたものである。良性腫瘍であるが、報告により差はあるものの術後局所再発率が高く、外科的治療に際しては完全切除が求められる。本症例のように鼻腔に限局している場合、経鼻内視鏡下手術は有効であると思われた。

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