著者
山本 哲夫 朝倉 光司 白崎 英明 氷見 徹夫
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.118, no.9, pp.1124-1132, 2015-09-20 (Released:2015-10-06)
参考文献数
18
被引用文献数
5

【目的】札幌周辺ではシラカバ花粉アレルギーの例が多く, 共通抗原性のため, リンゴなどの果物や野菜を食べた時に口腔咽頭の過敏症 (口腔アレルギー症候群, oral allergy syndrome, OAS) を示す例が目立つ. 一方, 大豆はシラカバ花粉の主要抗原である Bet v 1 の関連抗原 (Gly m 4) を含んでおり, OAS の原因抗原となることがある. 特に豆乳は凝固して豆腐になる前の状態であるが, 変性が少なく, また液体で一気に飲み込むためか, 前胸部の灼熱感など, 症状の強い例を経験する. 今回, 豆乳に対する OAS の頻度を調査し, IgE 抗体検査も行った. 【方法】対象はシラカバ花粉 IgE が陽性の OAS 例167例で, OAS の診断は問診により, 特異的 IgE は CAP を用いた. このうち161例に対し, コンポーネントアレルゲンと大豆に対する CAP を検査した. 【結果】シラカバ陽性の OAS 167例のうち, 問診上10% (16例) が豆乳に対する OAS を有し, シラカバ CAP クラスの増加とともに有症率が上昇した. また, Bet v 1 CAP, Gly m 4 CAP, 大豆 CAP クラスの増加とともに豆乳 OAS の有症率が上昇したが, Bet v 2 CAP は相関はなかった. 豆乳 OAS 例 (15例) では, 大豆 CAP はクラス1以上は47% (7例) で, クラス2以上では7% (1例) が陽性であったが, Gly m 4 CAP はクラス1以上は93% (14例) で, クラス2以上でも87% (13例) が陽性であった. 【結論】シラカバ陽性の OAS 例のうち, 10%が豆乳に対する OAS を有し, 豆乳 OAS 例では大豆 CAP の陽性率は低かったが, Gly m 4 CAP の陽性率は高かった.

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より詳しい論文は以下の通り。 シラカバ花粉アレルギーにみられる豆乳による 口腔アレルギー症候群 https://t.co/6R41sIcc9d アナフィラキシー症状を呈した豆乳による口腔アレルギー症候群の一例 https://t.co/ATP0i0KWqj
@saki_82 @shokopanne その可能性ありそうやね!案外多いんやな 俺は他にもアレルギーたくさんありそうやったから、去年viewをやったけど、あれはオススメやわ 大豆はひっかからんかったわ あと、下の論文に詳しく書かれてるよ シラカバ花粉アレルギーにみられる豆乳による 口腔アレルギー症候群 https://t.co/6R41sIcc9d
シラカバ花粉アレルギーにみられる豆乳による口腔アレルギー症候群 https://t.co/nzlyZsFWtv 「花粉症」と「果物・野菜アレルギー」との意外な関係 https://t.co/393EEQB6q8

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