著者
安生 祐治 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.3-22, 1991-09-30 (Released:2017-06-28)
被引用文献数
4

本実験の目的は、4名の公立高校硬式野球部選手のスローイング技能の指導に、通常のコーチングと行動的コーチングを適用し、これらが反応遂行としてのスローイング技能と適切なゾーンに当てるという反応所産に及ぼす効果を分析することだった。ターゲット行動であるスローイング技能は、10の下位技能に分類された。対象選手は27.4m離れた3つのゾーンに向けて送球し、その際のスローイングの反応遂行と、どのゾーンに命中したかという反応所産が測定の対象となった。同部におけるこれまでの指導法によって構成された通常のコーチングと、シェイピング、チェックリストの説明、賞賛、示範、教示、ロールプレイの諸変数を含む行動的コーチングの効果を、選手間多層ベースライン法によって分析した。実験1において、通常のコーチングは反応遂行と反応所産のいずれにも改善をもたらさなかった。一方、行動的コーチングはスローイング技能の改善をもたらしたが、反応所産には一様の正の結果をもたらさなかった。そこで、実験IIにおいて、行動的コーチングの変数であるチェックリストを一部修正し、目標を見るという行動を形成するための変数を新たに導入することによって、スローイング技能だけでなく、反応所産にも正の結果が示された。その結果を行動的コーチングと反応遂行、及び反応所産の測度の関連で考察した。

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