著者
MINORU WADA
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
THE JAPANESE JOURNAL OF EXPERIMENTAL SOCIAL PSYCHOLOGY (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.193-201, 1998-12-20 (Released:2010-06-04)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

本研究は, 大学生がストレスにどのように対処しているのか, また男女で対処法に違いがあるのかを調べた。さらに, ソーシャルサポートはストレス低減に有用かどうかも調べられた。被験者は大学3年生285 (男性114, 女性171) 人であった。自分の将来のこと, 勉強のこと, 友人・仲間のこと, 自分のこと, 余暇, 異性のこと, 教師・授業について, 両親・家族とのこと, の8つのストレッサーが用いられた。対処法は, 積極的解決の試み, 積極的回避, 忍耐, 支援要請, 消極的回避の5つであった。男性よりも女性の方がストレスとサポートが多かった。対処法で一番多いのが, 男女とも消極的回避であった。忍耐は低より高ストレス者, 消極的回避は高より低ストレス者がより多く選択した。低サポート者より中サポート者, 中サポート者よりも高サポート者の方が孤独でなかった。しかし, サポートは疾病徴候には何の効果も示さなかった。すなわち, ソーシャルサポートはストレスに対して限られた効果しか持たないのである。

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