著者
姫野 完治
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.95-104, 2020-07-10 (Released:2020-07-10)
参考文献数
26
被引用文献数
2

本研究では,授業実施中の授業者の視線配布と思考様式を解明することを目的として,ウェアラブルカメラを用いて授業者の視線映像を録画・記録し,その映像を事後に視聴しながらインタビューを行う調査を,熟練教師と教育実習生を対象として行った.その結果,教育実習生は子ども全員や発表者等に漠然と視線を向ける回数が多く,教室に生起した出来事を受動的に知覚する傾向があること,一方熟練教師は,特定の意図の下で選定した子ども集団に視線を向け,能動的に知覚する割合が高いことがわかった.また,そのように視線を配布しながら,教育実習生は授業の進み具合等の進度について思考しているのに対し,熟練教師は学力下位層と上位層の子どもの理解や考えの深まり,注目点を意識化したり整理したりすることについて思考していること等が明らかになった.

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