著者
西 大輔 渡邊 衡一郎 松岡 豊
出版者
一般社団法人 日本総合病院精神医学会
雑誌
総合病院精神医学 (ISSN:09155872)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.2-9, 2012-01-15 (Released:2015-08-26)
参考文献数
38
被引用文献数
1

レジリエンスは非常に注目されている概念であるが,その理解や臨床への活用は必ずしも容易ではない。本稿では,レジリエンスの理解を深めるため,レジリエンスが注目されてきている理由について考察し,①時間軸も含んだ概念であること,②修正・介入の可能性を含んだ概念であること, ③レジリエンスを「自然治癒力の現代医学版」とみなすことで治療論や回復論が発展する可能性が高まること,の3点をあげた。また総合病院精神科における臨床への活用について,慢性うつ病とディスチミア親和型うつ病への対応および治療方針の決定の際に重視されてきている「Shared decision making」について取り上げ,それらをレジリエンスの視点からとらえなおすことを試みた。レジリエンスという概念の下に実証的研究の成果と臨床から得られた知見を有機的につなげることで,レジリエンスは総合病院精神医学の発展にも大きく寄与し得ると考えられる。

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