著者
飯村 大智
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.205-215, 2017 (Released:2017-09-25)
参考文献数
23
被引用文献数
4 2

吃音が就労にさまざまな影響を与えることが国内外の研究で指摘されており,合理的配慮の必要性が求められているが,吃音者に必要な具体的な合理的配慮については十分に検討されていない.そこで本調査では吃音者182名を対象に就労や合理的配慮に関する質問紙調査を実施した.結果,吃音は就労に大きな影響を及ぼし,電話,大人数での会話,発表,朝礼などを困難としていることが示された.具体的な配慮については,「吃音の正しい知識をもってもらう」「吃音のある自分を受け入れてもらう」「苦手な場面や言葉があることを理解してもらう」「言葉以外で評価してもらう」などが挙げられた.また,年齢が低い人ほど就労で困難を抱え,これらの配慮を必要としていることが示された.本研究より,吃音者の就労の実態と必要な合理的配慮に関する一つの知見を示すことができたと考えられる.

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吃音者の就労と合理的配慮に関する実態調査 飯村 大智 https://t.co/zkjKTXuV5s
【吃音】主に言友会のメンバー182名を対象にした調査において、必要だと思われている「配慮」の多くは、「理解してもらう」、「受け入れてもらう」などでした。何かを「やってもらう」、「免除してもらう」ではなく、相手の態度や姿勢を重視している点が印象的ですね。 https://t.co/cdiaVyo243

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