著者
川崎 美香 森 寿子 藤本 政明
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.110-118, 2005-04-20 (Released:2010-12-08)
参考文献数
22

乳幼児の指導を行う際, 母親の心理的安定は訓練効果を高めるうえで重要である.われわれは注意欠陥多動性障害 (attention deficit hyperactivity disorder, 以下ADHD) を合併した人工内耳 (cochlear implant, 以下CI) 装用聾児 (兄, R.H.) と健聴児 (弟) の双生児をもつ母親に, TK式幼児用親子関係検査 (以下TK式) を実施し, 以下の知見を得た.症例R.H.に対するCI術前の母子関係を健聴な弟と比較すると, 術後2年が経過しても変化は見られなかった.術後2年7ヵ月後, R.H.に実施した言語・知能検査が正常となった時点で, 母子関係は兄弟間で類似する結果となった.比較対照群として検討した聴覚障害単一例2例とその兄弟との母子関係では, CI術前は健聴な兄弟に比べ, TK式で問題性が高かったが, CI術後約1年が経過した時点で, 母子関係は安定した.ADHDを合併したR.H.では単一障害例に比し, CI術後母子関係が安定するまでに約3倍の時間を要し, ADHD合併例に対する母親指導の難しさとその重要性が示唆された.

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【ざっくり】ADHDの人工内耳装用児は、母子関係が安定化するまでに時間がかかった。音声言語の指導に拘らず、視覚情報(手話や身振り)を取り入れて早期に「母子のコミュニケーションを安定させる」指導が必要だった との記述が。超ざっくり… https://t.co/EUTrUHzsvh

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