著者
安藤 義範
出版者
The Ornithological Society of Japan
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.29-38, 1993-05-25 (Released:2007-09-28)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

1990年に島根県松江市のコロニーにおいて,サギ類6種の営巣場所選択について調査した.コロニーは低い丘の傾斜地にあり,その植生はスギ,クリ,アカマツの3樹種が優占していた.調査区内の営巣数はゴイサギが半数を占め,ダイサギ,アオサギの営巣数は非常に少なかった.ダイサギ,アオサギは調査区東側に集中しており,主にアカマツの高木の樹頂部を営巣場所として選択していた. ゴイサギ,コサギ,チュウサギ,アマサギはダイサギ,アオサギと比べて,多くの樹種を選択した. コサギ,チュウサギ,アマサギは調査区西側に集中しており,主に亜高木を利用していたが,コサギは樹冠内部を,チュウサギ,アマサギは樹頂部付近を選択する傾向がみられた.ゴイサギは調査区全体に広く分布しており,高木の樹頂部付近に多く営巣していた.サブプロット毎の営巣数を用いて, Spearmanの順位相関係数を算出すると,ダイサギ,アオサギの2種間,アマサギ,コサギ,チュウサギの3種間で生の相関がみられた.どの種間にも負の相関はみられなかった.

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