著者
千田 有紀
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.190-200, 2010-10-30 (Released:2011-10-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1 1

本論文では,フェミニズム論と家族研究の関係について明らかにする。その際まず,近代家族論が切り拓いた地平について,そしてこの近代家族論がどのような時代的背景のなかであらわれたかについて明らかにする。次に,近代家族論が家族研究においてもった意味について考察する。近代家族論は,家族を「歴史化」「相対化」し,近代社会と家族の連関を問い,構築主義的な視角によって権力を分析することも可能にした。さらにフェミニズムの視点と近代家族論の視点の親近性について問い,近代社会において公私がどのように編成されてきたのか,そのことによってジェンダーの編成がどのように明らかにされたのかを考察した。さらに家族研究からフェミニズム論にどのような課題が投げかけられるかを検討した後,近代家族を問う意味について,近代家族の変動の具体的な事象をあげながら分析した。

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