著者
池岡 義孝
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.55-66, 2000-07-31 (Released:2009-09-03)
参考文献数
33
被引用文献数
2 1 2

本稿の目的は、戦後日本の家族社会学における社会調査の方法の定式化を、その成立期にまで遡及して考察することである。社会調査の方法については、それを量的方法と質的方法に区分し、前者を主とし後者を従とするウエイトをつけた補完関係にあるものとして位置づけることが一般的であるが、家族社会学においてもこれと同様の二分法的理解が、現在に至るまで広く普及している。本稿においては、家族社会学におけるこうした量的方法と質的方法という二分法的理解が、戦後日本の家族社会学が通常科学化した1960年代ごろに成立したものであることを、それを提起した小山隆を中心とする家族社会学に固有の要因と、より一般的な社会学および社会調査法をめぐる状況の両面から論証する。そのうえで、さらにそれがその後の家族社会学の展開においてどのような道筋をたどったのか、その方向性の概略的な見取り図を提起することにしたい。

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池岡義孝(2009)「家族社会学における量的/質的方法の二分法的理解とその成立」 https://t.co/arz13IX360

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