著者
小森 國寿 大塚 泰正
出版者
一般社団法人 日本産業精神保健学会
雑誌
産業精神保健 (ISSN:13402862)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.156-165, 2023-09-20 (Released:2023-09-20)
参考文献数
45

トラウマ体験をした後に経験されるポジティブな心理的変容である心的外傷後成長(Posttraumatic Growth: PTG)は,トラウマ体験で崩れた世界観を書き換える認知プロセスの副産物として得られる.この認知プロセスの促進要因は,当事者の社会的状況との組み合わせにより理解・解釈され,新たな認知的枠組みに組み込まれるため,軍人等においても独自の特徴があると考えられる.軍人等のPTGの促進要因に関する17件の文献を整理した結果,属性,苦痛・症状,ポジティブな文脈,個人の内面的性質およびネガティブな文脈の5つがPTGの促進要因となることが示唆された.軍人等のPTGを促進するためには,軍隊等における価値観を理解しようとする環境を整えて自発的な自己開示を促したり,逆境に意味を見出そうとする資源を増やしたりすることが有効である可能性が示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

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『軍隊等における心的外傷後成長の促進要因に関するナラティブレビュー』産業精神保健31(3) 心的外傷後成長の促進因子として、若さ、再体験症状、ポジティブな理解、ネガティブな理解、有意味性などが大切そうです、と。 トラウマを成長の糧に、か。。 https://t.co/w2oqxVmYgg

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